鳶魚書房

堅実にバカなことを

客にバーベル落としてクビになった話

あれは7月の頭の話だった…。

 

自分は新しいアルバイトとして臨海エリアの高級マンションの上階にある高級スポーツジムで働くことになった。

勤務環境としては上々、受付や事務の作業は以前のアルバイトでも経験していたので3日ほどですぐに慣れ、トレーニング中のサポートが目下の課題といったところ。

 

ただ、勤務地の関係もあって、唯でさえ金欠なのに片道700円は財布的にだいぶまずいのではないか…?と思い、いつも帰りは1路線だけ乗らず1時間ほど歩くことに…

たまたま当時発売したばかりのゲームの主人公の家が周辺ということもあり散策ついでに帰るのも悪くなかったし、夏場なこともあり臨海エリアは涼しくて散歩には最適だと分かってそれもなかなか悪いものではないなという結論に至った。

 

このバイトなら続くだろう。そう思っていた矢先。

 

 

ーーー5度目の勤務でその事件は起こった。

5度目だったかは覚えていないが確かそのくらいだ。

学校終わりで眠かったのが災いしたのだろうか。

 

 

さて、その日は常連のおっさんが今日はどうしてもって言うので80kgに挑戦!!

おれ「本当にいいんですね?」

おっさん「おう!」

 

おれ「…はい(パッ)」

おっさんのOKサインを待たずにバーから手離したらけっこう派手に崩れました。

 

おれ「おっさん!!!」

 

自分1人じゃ持ち上げられないのでバーを足の方に回して脱出を試みるもちょっとおっさんの腹が出ててつっかえる。これで80上げるのは普通に無茶だったろ。

慌てる。

 

おれ「おっさん!!!!!」

 

慌てて駆けつける店長(超ごつい)。

こっちも慌てる。

 

おれ「店長!!!!!!!!!」

 

店長と2人で左右を持ってサルベージ。

バーベルを元に戻し一段落。

 

その後、ゴリラみたいな店長はおっさんに大丈夫かと声をかけて安心すると

こちらへ向き直り

 

店長「お前なぁ~~~~~~!!!!(ゴッ)

客の前で平然とパンチ。

しかも顔面に。

客の前で。

顔面に。

めっちゃ痛い。

 

 

 

・その後の経過

おっさんは謝ったらすぐに許してくれた。

店長はすごく苦い顔で「あのおっさん某社のお偉いさんなんやで」と。 マジか。

「評判に響くから悪いけどもう来ないでくれ」と。 マジか。

 

帰り際、おっさんは自分の顔を見て

「俺も無茶言って悪かったけど次からちゃんとしてや」

と苦笑いで言いながら 腹に1発叩き込んでいった。

 

 

そうしてスポーツジムのアルバイト生活は終わった。

最期の日はなんとなく電車で帰った。 

 

 

・最後に

40kg以上をベンチの位置から落としたら本気で死ぬレベルなので真似しないで下さい。

絶対ちゃんとしたサポートを付けましょう。